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頼りにしてたスタッフが難民で強制送還!? 外国人労働者を雇う際の注意点とは?

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目次(この記事の内容)

  1. 難民申請という裏技
  2. 建設業界で外国人を合法的に雇う方法
    1. 1:就労ビザ(5,994人)
    2. 2:技能実習(45,990人)
    3. 3:特定活動(3,280人)
    4. 4:特定技能(新制度)
    5. 5:身分に基づく在留資格(12,894人)
    6. 6:資格活動外許可(442人)
  3. 外国人を雇う側の注意点は?
    1. ・悪質なブローカーの見分け方は?
    2. ・不法就労以外に会社が罰則を受けることがある?
  4. 終わりに

外国人労働者の受け入れが進み、建設現場にも色々な国の人を見るようになりました。しかし、突然現場に来なくなって、現場は人が足りなくて大騒ぎ。「実は難民申請して入国していたらしい」と後から聞いて再度びっくり…なんてこともあるようです。実際、難民申請中の在留カードで働く外国人が国内には多くいるようです。

しかし、難民申請は不認定となるケースがほとんどで、不認定になると本国へ送還されます。結果、現場に穴が開くことになります。あなたの会社は大丈夫ですか? この記事では、外国人労働者の現状と雇う場合の注意点を解説します。




難民申請という裏技

日本で合法的に働く在留資格を得るためには、入国する前に様々な申請手続きが必要です。そのため、とにかく日本で働きたい外国人や、自国に帰りたくない外国人は「難民申請」という裏技を使います。難民申請して得られる在留カードは通称「難民ビザ」と呼ばれています。

具体的には、難民申請の認定・不認定の結果が出るまで時間がかかるのを逆手にとり、短期ビザで入国して空港につくなり難民申請し、認定結果が出るまでは自由なので、国内で働くのです。20191月~3月の難民申請の平均処理期間は435日で、不認定になっても審査請求できるので日本で12年は働けることになります。


引用:法務省入国管理局「出入国管理」(引用部はP14)|http://www.immi-moj.go.jp/seisaku/pdf/pamphlet_2018_ja.pdf

難民申請が本来の難民の定義からはずれた「自国に借金がある」などの理由で申請できてしまうのも難民申請が増えた一因です。このような外国人を「偽装難民」と呼び、2011年(平成23年)頃から2017年(平成29年)まで急増しています。


引用:法務省|平成30年における難民認定者数等について|http://www.moj.go.jp/content/001290416.pdf

出入国在留管理庁も事態改善に動いています。2018114日までは難民申請した申請者に対して6カ月経過後に一般就労を許可していましたが、2018115日以降は難民認定手続中であっても明らかに難民に該当しないような申請者に対しては、「日本での在留も就労も許可しない」と難民認定の運用を見直しました。これにより、難民申請者であっても在留期間の経過後は退去強制手続きの対象となることになりました。

運用を見直した2018年(平成30年)は難民申請するメリットがなくなり、申請数は前年比9,136人(46.5%)減と激減しています。現状で難民と認定されるのは非常に難しく、2018年(平成30年)実績では申請者10,493人に対して認定者は42人と0.4%しか難民として認定されていません。それでも、年間1万件を超える難民申請があり、「就労許可がなくても入国さえしてしまえば働ける」と誤解している外国人がいるのも事実です。

参考:出入国在留管理庁サイト|http://www.immi-moj.go.jp/tetuduki/nanmin/pdf/nanmin_nintei_nihonshurou/nanmin_nintei_nihonshurou_jp.pdf

建設業界で外国人を合法的に雇う方法


偽装難民はもちろん違法ですが、外国人が日本で仕事をするための在留資格はいくつかあります。建設現場で合法的に働ける資格をご紹介します。

ちなみに201810月末現在、日本の建設業で働く外国人は、届け出があるだけでも68604人になります。以下では資格ごとに何人になるのか、人数も参考までに載せておきます。 

1:就労ビザ(5,994人)

就労ビザは就労することを目的とした在留資格の総称として使われますが、無条件にどのよう仕事でも就けるわけではありません。定められている職種の範囲内の仕事の就労だけが認められています。

建設現場では次のような在留資格が該当します。

(1)技術

理学・工学等、自然科学分野に属する技術や知識を必要とする業務に従事する場合。土木建築などの設計者、理科系の4年生大学を卒業した人が引き続き日本で働いている場合に該当します。

(2)技能

産業上の特殊な分野に属する熟練した技能(外国特有の建築や土木等に係る技能等)を要する業務に従事する場合。10年以上の実務経験、または、10年以上の実務経験を有する外国人の指導監督を受けて5年の実務経験。

(引用:ビザ申請.com|企業が外国人を雇用する場合の主な就労ビザ(在留資格)の種類|http://www.visa-station.com/type/5.html

こう見ると、就労ビザは建設現場というよりは、幹部候補のような存在で、現在の人材不足に対応する資格ではないことがわかります。

2:技能実習(45,990人)

企業や個人事業主等の実習実施者と雇用関係を結び、自国で修得が困難な技能等の修得・習熟・熟達を図るものです。技能等の修得は、技能実習計画に基づいて行われます。一般に技能実習生と呼ばれる外国人です。

そもそもは有給の実習なのですが、劣悪な労働環境で単純作業をさせる、実習生が失踪してしまうなど、問題が多く発生しています。雇用する場合には、半年ほど前から実施計画を提出するなどの事前準備が必要です。詳しくは下記サイトを参考にしてください。

参考サイト:公益財団法人 国際研修協力機構|外国人技能実習制度とは|https://www.jitco.or.jp/ja/regulation/


3:特定活動(3,280人)

ワーキングホリデーなど、法務大臣が特に指定する活動です。2018114日までに難民申請して得られる就労許可も、この特定活動での許可でした。オリンピックに備えた外国人建設就労者受入事業制度が新設されたため人数が増えていますが、通常はぐっと少なくなります。

4:特定技能(新制度)

20194月からスタートした新制度で、日本国内で人材不足が顕著な業種の労働力を確保するための在留資格で建設分野も対象です。専門性・技能を持っている即戦力となる外国人を受け入る制度で、専門分野の試験の他に日本語の試験があります。建設分野の専門試験は次の11試験区分です。

  • 型枠施工
  • 左官
  • コンクリート圧送
  • トンネル推進工
  • 建設機械施工
  • 土工
  • 屋根ふき
  • 電気通信
  • 鉄筋施工
  • 鉄筋継手
  • 内装仕上げ/表装

今後5年間で、最大4万人の外国人労働者が建設業界に来るとされています。しかし稼働するのは2020年以降になりそうで、当初は技能実習生が実習期間を終えた後、こちらの資格に移行する形がほとんどになりそうです。

まだ実際どうなるのかははっきり固まっていませんが、雇用したい場合には、外国人採用を得意とするエージェントに相談する形になりそうです。

5:身分に基づく在留資格(12,894人)

永住者、日本人の配偶者等、永住外国人の配偶者等、定住者など、日本に移住している外国人です。日本での活動に特に制限がありませんので、どの職種でも採用できます。
採用する場合には、下記のような外国人材に強いサービスを利用するのが一般的です。

・外国人材版ハローワーク、「外国人雇用サービスセンター」

https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-foreigner/

・外国人材専門の紹介会社、「JobsWorld for all of Asia

https://www.jobsworld.jp/asia/jp/

・外国人材専門の求人サイト、「Nippon仕事.com

https://nipponshigoto.com/about_nippon

・外国人材採用専用アプリ「jobchain

201999日、外国人採用専用アプリがスタートしました。スマホでチャットしながら選考を進める手軽な採用ツールです。費用は採用決定時に発生する成功報酬型で、月収の10%と手頃な価格も魅力です。


jobchain|https://www.jobchain.co.jp/

6:資格活動外許可(442人)

留学生や、在留資格のある外国人の家族が滞在する場合は、出入国在留管理庁に申請することによって、就労先を特定せずに働くことができます。1週間で28時間以内を限度として勤務先や時間帯を特定することなく包括的な資格外活動許可が与えられますので、建設現場でも働くことが可能です。

雇用したい場合は、上の「身分に基づく在留資格」同様、外国人材に強いサービスを利用します。

参考サイト:厚生労働省|東京労働局
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/yokuaru_goshitsumon/gaikokujinkoyou/Q4.html
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/yokuaru_goshitsumon/gaikokujinkoyou/Q3.html

外国人を雇う側の注意点は?

では、実際に外国人を雇う場合、何に気をつければよいのでしょうか。外国人を雇う時は、パスポートと在留カードを確認することから始めます。在留カードの在留資格と就労制限を確認し、日本で就労できる外国人であることを確認しましょう。

在留カードの現物確認を怠ると、のちのち不法就労が発覚した時に、会社の社長が3年以下の懲役または300万円以下の罰金の処分を受ける場合があります。在留資格の口頭確認だけだと、会社側が責任を果たしていると認められず罰金は免れません。雇った後に、不法就労だとわかっても「知らなかった」の言い訳は通用しませんので、雇い入れないように注意しましょう。

悪質なケースだと、在留カードの偽造なども考えられます。外国人を雇う前に、偽造を理由に解雇手続きを進められるよう就業規則を整えておくことも必要です。不法就労を出入国在留管理庁に通報しても、雇った会社側の罪がなくなるわけではありませんので、自衛するしかありません。


引用:出入国在留管理庁|「在留カード」及び「特別永住者証明書」の見方|http://www.immi-moj.go.jp/newimmiact_1/pdf/zairyu_syomei_mikata.pdf

また、留学生を雇う時は、裏面の下部に記載がある資格外活動の許可を得ていることを確認しましょう。留学生はバイトを掛け持ちしていることもあるので、掛け持ちしているバイトを確認して合計時間が週28時間を越えてないように配慮する必要があります。


就労させてはいけない外国人を雇って起きる不法就労事件は増えており、その多くは関東です。2017年(平成29年)実績をみると関東地区6,761人、次いで中部地区1,314人となっています。関東・中部地区だけで8,075人となり、不法就労者全体の88.4%を占めます。


引用:法務省|出入国管理(上の表はP52)|http://www.moj.go.jp/content/001276977.pdf

・悪質なブローカーの見分け方は?

外国人労働者を受け入れる際に、現地のブローカーを使うこともあります。しかし、なかには悪質なブローカーもおり、来日する時に保証金名目で多額の現金を徴収するものもいます。受け入れする日本の会社では悪質なブローカーを見分けることが難しいのが現状です。

国も対策を講じており、20194月に海外の仲介業者と提携する日本国内の職業紹介業者に対する許可基準を改定しました。また、特定技能外国人の受け入れに関して、主要9ヶ国を中心として、悪質な仲介事業者の排除や情報共有の枠組の構築のための取り決めを進めています。

・不法就労以外に会社が罰則を受けることがある?

外国人を雇った場合に、不法就労以外にも、受け入れる日本の会社が罰則を受けないように注意すべき点があります。

  • 外国人を雇ったら「外国人雇用状況の届出」をハローワークに届出する。また、退職した時も届出が必要
  • 不法就労者も含めた全員を労災保険に加入させる
  • 日本人と同じように雇用保険・社会保険に加入させる

会社によっては「数年で自国に帰国する外国人に厚生年金をかけるのはもったいない。掛け捨てになる」と思われるかもしれませんが、加入させるのは会社の義務です。

雇う外国人の出身国によっては日本の年金制度と加入期間を通算できる場合や、支払保険料を合算することができる社会保障協定を締結している場合もあります。

協定を結んでいない国の出身者で、保険料支払期間が6カ月以上10年未満の場合は「脱退一時金」を請求することもできますので、一概に掛け捨てになるとも言えません。逆に、厚生年金に加入させないと罰則の対象となります。また例外として、留学生は雇用保険・社会保険の対象外ですから、加入させなくても罰則はありません。

終わりに

外国人は人出不足の建設現場の重要な労働力です。真面目に働く外国人も多く、日本人よりも熱心に技術を習得すようと努力している人もいます。ただ、一部の外国人ネットワークのなかで違法行為すれすれの情報が拡散しており、本人達に悪気がなくても法に触れている場合があります。そういった外国人を雇用すると会社側も法に触れてしまう可能性があります。外国人を雇用する時は、本人が真面目だとか、熱心だとかの基準とは別に、その外国人が就労可能な状態かを確認して、会社として不法行為を助長したと判断されないよう自衛するよう気を付けましょう。

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