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オリンピック後の仕事は大丈夫? 2020年以降も建設業界が明るくなるプロジェクト、あります。

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建設業界は今、2020年の東京オリンピックと、東日本大震災の復興工事によって好景気を迎えていますが、その後の需要落ち込みを不安視する声は止みません。しかし、現在は消費税増税前の駆け込み需要も重なり、工事費相場も上がっているため、工事をオリンピック後に延ばす動きも広がり、それほど落ち込まないのではないかという予想も出てきました。さらには今後、ビッグプロジェクトも控え、建設業界に明るい光をもたらしそうです。この記事では、そんな期待のプロジェクトの現状をご紹介します。

2025年の大阪万博に向けインフラ需要が増大

OSAKA_EXPO_20252025 日本万国博覧会|https://www.expo2025-osaka-japan.jp/overview/

建設業界だけでなく日本にとって、東京オリンピック後の希望の星である、2025年の大阪万博。会期は5月から11月にかけての185日間、来場者は2800万人が見込まれ、経済波及効果を2兆円、会場建設費は約1250億円と予想されています。経済効果30兆円、関連建設投資が10兆円(日本銀行まとめ)とも言われる東京オリンピックと比べれば小規模です。

しかし、会場となる大阪湾上の人工島・夢洲(ゆめしま)はインフラがあまり整備されておらず、現状ではアクセスも不便です。今後、埋め立て工事、インフラ整備、地下鉄の延伸工事、道路の拡張、JRや京阪の延伸工事など、1兆円を超えるプロジェクトが計画されています。

さらに、世界的イベントをきっかけに、東京オリンピック時にやりたくてできなかった宿題のようなプロジェクトの数々が実現するとも言われています。特に大阪という地域や、日本へ来る海外の方向けのインバウンド施設やインフラの整備も進みそうです。

たとえば、関西国際空港のお膝元である泉佐野市では、空港の対岸にある敷地面積約2万平方メートルの「りんくう中央公園用地」に、ホテルや国際会議などのビジネスイベントを開催するコンベンションホール、ショッピングセンター、サービスアパートメントなどを含む複合施設(MICE施設)が建設されることが決まりました。2020年夏に着工、2023年に開業見込みです。

りんくう中央公園用地写真引用:泉佐野市|http://www.city.izumisano.lg.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/35/PR20180611.pdf

こういった周辺地域の動きが活発化することが期待できます。

老朽化した社会資本の整備が本格化

建設後50年以上経過する社会資本の割合国土交通省発表資料をもとに作成|http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/maintenance/02research/02_01.html

日本のインフラの多くは高度経済成長期に集中的に整備されました。そのため今後20年ほどで、コンクリートの耐用年数の目安とされる50〜60年を超える施設の割合が一気に増えます。国土交通省の調査によると、15年後には多くのジャンルで半数以上の施設が建設後50年を超えます。

2018年11月末に開催された政府の経済財政諮問会議に出された試算結果によると、道路や河川・ダム、下水道などのインフラの維持管理・更新費は、2048年度までの30年間で約177兆円~約195兆円という巨額になります。年間では5兆円以上です。

インフラの維持管理・更新費資料:国土交通省|https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg6/181130/agenda.html

上の数字は国土交通省管轄の12分野の施設だけで、上水道や鉄道、高速道路の施設は対象外です。高速道路は2015年から2029年までかけて、3兆円規模でリニューアルを実施していくことが決まっています。

● 参考:高速道路リニューアルプロジェクト

NEXCO東日本 

https://www.e-nexco.co.jp/renewal/

NEXCO中日本 

https://www.c-nexco.co.jp/koushin/

NEXCO西日本 

https://www.w-nexco.co.jp/renewalproject/

そのほか、学校やホール、図書館などの公共施設も老朽化が進んでいます。たとえば学校へのエアコン設置なども、夏の猛暑が続く中で、緊急課題として設置が進んでいます。文部科学省の調査によると、2018年4月時点で小中学校のエアコン設置率は50%以下、地域による差も大きく、長崎県や奈良県など比較的温暖な県でも設置率が10%以下というところもあり、今後も高い工事需要がありそうです。エアコンだけでなく、ICT設備の導入の需要も高くなっています。

リニア新幹線

リニア中央新幹線リニア中央新幹線|http://linear-chuo-shinkansen.jr-central.co.jp/

世界最速の時速500km/h、東京〜名古屋間を40分、東京〜大阪間を67分で結ぶ、リニア中央新幹線。磁石の力を使い、車輪を浮かせて走る「超電導リニア」という方式のため、車体も線路も従来とは異なり、駅を含め、すべて新しく建設する必要があります。

工事内容は、トンネル、高架橋、変電所、駅舎など、多岐に渡ります。2027年に開通する東京〜名古屋間の総投資額が約5.5兆円、2045年開通の名古屋〜大阪間が約3兆円という大型プロジェクトです。

リニア新幹線の建設

品川駅と名古屋駅以外は、これまでの東海道新幹線の駅とは異なる場所に駅が新設されます。(以下はすべて仮称。場所は予定)

・品川駅   東海道新幹線ホーム地下

・神奈川県駅 神奈川県相模原市緑区橋本(JR・京王線/橋本駅西側)

・山梨県駅  山梨県甲府市大津町(JR身延線/小井川駅東、中央自動車道/甲府南IC北)

・長野県駅  長野県飯田市上郷飯沼(JR飯田線/元善光寺駅南、中央自動車道/飯田IC北)

・岐阜県駅  岐阜県中津川市千旦林(JR中央本線/美乃坂本駅北側)

・名古屋駅  東海道新幹線の線路地下

リニア新幹線の建設をきっかけに、新駅周辺の再開発が活発になることも期待されます。

IRリゾート

シンガポールのIRリゾート「マリーナ・ベイ・サンズ」シンガポールのIRリゾート「マリーナ・ベイ・サンズ」©PAKUTASO

日本にカジノを新設するという流れで注目されているのが「IRリゾート」です。英語の「Integrated Resort」の略で、日本語では「統合型リゾート」。カジノ中心に、ホテル、国際会議場や展示会場などのMICE施設、ショッピングモール、レストラン、劇場や映画館などのアミューズメント施設、スポーツ施設などを一体化した施設のことで、シンガポールなどの活況を参考に日本でも導入が検討されてきました。

そして2018年7月にはIR実施法案が国会で成立し、本格的に導入が決まりました。オリンピックや万博同様、各地域が立候補し、当面は全国3カ所を上限にIRリゾートが建設されることになっています。今は各地が実施計画を練っている最中で、2025年頃のオープンを目指し、オリンピック終了後の2021〜2022年には3カ所が決定されると言われています。

各地が名乗りを上げていましたが、IRリゾートの有力候補地は、下記の7カ所に絞られてきました。

・北海道/苫小牧・新千歳空港近辺

・東京/お台場

・千葉/幕張・幕張ベイタウン近辺

・神奈川/横浜・山下埠頭

・大阪/夢洲(万博会場と共有)

・和歌山/マリーナシティ

・長崎/ハウステンボス

今のところ北海道、横浜、大阪の3カ所が有力と言われています。建設投資は合計2兆円程度とみられるビッグプロジェクトになりそうです。

仕事の心配より人材の心配が必要

大型プロジェクトが続く東京オリンピックが終われば、日本は人口減少、現役世代が減る少子高齢化という右肩下がりの環境に戻る声もあります。しかし今回紹介したように、続々始まる大型プロジェクト、高いインバウンド需要や移民希望者の多さなど、まだまだ日本には可能性があります。

国土交通省の予測では、オリンピック後の2022年度の建設投資は、現在より少し増える水準だとされています。仕事を増やす努力はもちろん必要ですが、人材採用のための報酬と仕事環境の改善、人材育成のための教育制度の充実などが成功の鍵を握るのではないでしょうか?

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