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建設業界目線で見る「第26回 3D&バーチャル リアリティ展」

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VR(バーチャルリアリティ)やAR(オーグメントリアリティ)関連のビジネスが盛り上がっています。2018年5月には、超高性能で23,800円、PCもスマホもいらないVRヘッドセット「Oculus Go(オキュラスゴー)」が発売され、さらに本格化しそうな気配です。

Oculus Go

Oculus Go(

https://oculus.com/go/


ということで、どんなビジネスが生まれているのか、2018年6月20日~22日に東京ビッグサイトで開催された「第26回 3D&バーチャル リアリティ展」に行ってきました。同時開催のされた「第29回 設計・製造ソリューション展」と合わせて、建設業界に活かせそうなビジネスの種をご紹介します。

第26回 3D&バーチャル リアリティ展2

VR、AR、MRの違いは? 改めて見てみましょう


まず最初にご紹介するのは、企業の商品や業務のマニュアル制作会社ダイテックのブース。この会社の面白いところは、VR、AR、MRを区別せず、どれも取り入れているところです。どれかひとつがメインになる会社が多い中、ここは「マニュアルがわかりやすくなるなら何でもいいですよ」というスタンスのようです。新しい技術が先ではなく、実現したいことが先でその手段として新技術があるという、理想的な形です。

ちなみに、VRとARとMRの違いっておわかりでしょうか? 混同しやすいので、簡単に説明しておきます。

VR=

仮想現実=動画やCGの仮想空間に自分が入っていく

AR=

拡張現実=現実の世界に架空のキャラや現実には見えないデータなどを載せる

MR=

複合現実=マイクロソフトの造語でARの進化形。大雑把に言えば、VR空間でARを使う

わかりにくいでしょうか? 展示されていたサービスを見ればわかります。たとえば、「ARトリセツ」。スマホやタブレット、ARヘッドセットを該当商品に向けると、説明のPOPが登場し、タップすればさらに詳しい説明や動画を見ることができます。建設業界では、工事方法や工具の使い方などに活かせそうです。

Daitec_AR

それから、「未来型保守点検ソリューション」は、マイクロソフトの「HoloLens(ホロレンズ)」というヘッドセットを使ったMRソリューションです。「ARトリセツ」にプラスして、指先の操作でズームしたり、写真を撮ったり、遠隔地とのやりとりも可能になります。保守点検だけでなく、遠隔地からの作業指示、外国語マニュアルでの外国人への指導などにも使えます。

ヘッドマウントディスプレイの種類もたくさんありました。

ヘッドマウントディスプレイの種類

左下がMR用「ホロレンズ」35万円ぐらい、右下がAR用ヘルメット型「FUJITSU ヘッドマウントディスプレイ」18万円ぐらい、左上がAR用片目ディスプレイのコニカミノルタ「ウェアラブルコミュニケーター WCc」20万円ぐらい、右上がこれもAR用で老眼鏡のように一部だけディスプレイになったメガネスーパーグループの「b.g.」15万円ぐらい(2019年1月発売予定)というラインアップでした。

性能から見ると、コストパフォーマンスはホロレンズの圧勝と言えますね。次期ホロレンズはより小型軽量で低価格、ヘルメット装着も可能になると噂されていますので、実現すればより差が開きそうです。

株式会社ダイテック(

https://daitecjp.com

VRのビジネス用途はシミュレーションと教育


上の例では、「ARばっかりだな」と思われたでしょうか。そうなんです、エンタメではVRが多いですが、ビジネスではMRも含めてARが主流になっています。それは、CGで仮想空間を制作する手間とコストの問題と、現実空間が対象でないと用途が限られてくるからだと思います。

そこでVRをビジネスに使う用途が何か、ひと目でわかったのが積木製作のブースです。もともとCGで建築パースを制作する会社だけあって、VRを建設系のビジネスに活用するのが得意です。たとえば、「安全体感VRトレーニング」。墜落、火事、感電などの現実には体験しにくい状況をCGによる仮想空間で再現するソリューションです。

安全体感VRトレーニング

やらせてもらったら、本当に墜落したような感覚がありました。さらには、上の写真で手に持っているハンドコントローラーを動かすことで、仮想空間上でつかんだり離したりできます。いろいろなプログラムがあり、既に大林組や明電舎でも教育・トレーニングに使われているそうです。

安全体感VRトレーニング03

それから、VRはプレゼンテーション用途もありますね。このブースでも、設計図面の中に入り込むことができる、設計者向けVRプレゼンテーションツール「VR CAD Viewer」がありました。LenovoのVRヘッドセットを使い、空間内を歩き回ったり、覗きこんだりできます。

積木製作

BIM(Building Information Modeling)データから3Dモデルを抽出した映像の中に入っていくのですが、壁や床の色を変えたりすることもできました。新築マンションの仕様を決めるとか、リフォーム内容を確認してもらうことに使えば、良いアピールになりそうです。

株式会社積木製作(

http://tsumikiseisaku.com/

これから地図は3Dになるのかも


今回の会場で一番興味深かったのは、デジタル・ガーデンのブースに展示されていた「iSand BOX」。こんなビジュアルです。

iSand BOX

写真ではわかりにくいかもしれませんが、大きなボックスに敷き詰められた砂に映像が投影され、モーションセンサーによって、手で砂をいじると映像が変化します。上の写真の例では、手の動きに反応して等高線が変わっていきました。映像は火山、海、四季、恐竜など19種類あり、教育施設や博物館、リハビリセンターなどでの利用を想定しているそうです。

こういう触れる3D地図は子ども用と言わず、ビジネスでも使える形にならないかなぁと思いました。街づくりや土木系では活かせそうな気がします。

株式会社デジタル・ガーデン(

http://dgi.co.jp


個人的に、地図は3Dがメインになると思っているので、地図データ作成会社みるくるのブースも興味深かったですね。写真やドローンで撮影した画像から、リアルな3Dモデルを作成するソフトウェアがありました。

3Dモデルを作成するソフトウェア

ドローンの自動運転で撮影し、その画像をテクスチャーとして貼れば、見た目も実物そのものですし、i-Constructionでも使用できる精度で3Dモデルになるそうです。都市開発や橋、ダム、公園などに使うことが多いそうですが、工場の中や、継ぎ接ぎ継ぎ接ぎで全体図面のない建物といった案件もあるとか。「ダムひとつでだいたい30万円ぐらい」でできるそうなので、意外と手頃です。

株式会社みるくる(

http://mirukuru.co.jp

地形や構造物を忠実に再現。金属への対応で建材製造の可能性も広がる3Dプリンター


最後に、どんどん進化を遂げている3Dプリンタをご紹介します。以前もBRANU MAGで、家を3Dプリンターをご紹介しましたが、小型の3Dプリンターも進化しています。


■参考記事:「日本の建築市場への導入は?海外で盛り上がりを見せる建築用3Dプリンター」(

https://mag.branu.jp/archives/2113

アメリカ企業で3Dプリンターの世界トップメーカー、Stratasys(ストラタシス)のブースに賑わっていて、展示物もなかなかのものでした。たとえば、ドローンで撮影した地形や構造物を3Dで再現したりできるとか。都市開発や土木工事の準備に使えそうです。

Stratasys(ストラタシス)

それから、今までは樹脂、特にプラスチックを原料に造形していたのですが、いよいよ金属を原料として扱える3Dプリンターも手軽になってきました。

3Dプリンターで小ロット製品

「2018年はいよいよ製造業などでは、3Dプリンターで小ロット製品の完成品をつくる、3Dプリンター元年です」と景気のいい話が聞こえましたが、建設業界でも、小ロットの装飾性の高い部材や、特殊な形状の部材などは、3Dプリンターを活用する時代が来るのかもしれません。

ストラタシス・ジャパン(

http://stratasys.co.jp

まとめ


今回のビジネスショーは「ビジネス」活用オンリーで、エンタメ系は出展していなかったので、技術的には最先端とは言い難い印象です。ただ、ビジネスとなると、確実性や安全性、コストパフォーマンスへの要望が厳しくなるので、「これぐらいなら少しお金を出せばすぐにでも実現できます」という姿です。気になったソリューションがあれば、ぜひ実現させてください。ちなみに次回の開催は2019年2月始めの予定だそうです。

3D&バーチャル リアリティ展(

https://www.ivr.jp/

【こちらの記事もおすすめ!】


https://mag.branu.jp/archives/3985

https://mag.branu.jp/archives/2138

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