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【令和元年は法改正の年】事業拡大につながる建設関連法改正は、この4つ!

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先の記事で、入管法の改正によって新たな在留資格を持った外国人労働者が建設業界へ入職し、業界に転機が訪れようとしていることをお伝えしました(

建設業界に今後5年間で4万人規模の外国人労働者が増援!~

)。

しかし、業界に関わる法改正は入管法だけではありません。令和元年となった2019年度は建設業界にとって「法改正ラッシュの年」と言えるぐらい、業界関連法案の改正が目白押しです。

そこでこの記事では、今回の法改正の中でも重要と思われる「建築基準法」「建築士法」「バリアフリー法」「建築物省エネ法」の4つの法改正の要点やポイントと共に、それらの改正が皆様の事業経営や業務のあり方にどう影響するか? について解説します。

建築基準法改正:事業拡大のチャンスにつながる改正はこの2つ!


建設業界の業務規準ともなる建築基準法の改正は、企業経営にダイレクトに影響する事項が多いため、特に注意を払って確認することが大切です。

従来の建築基準法改正は1981年の新耐震設計以降、地震や台風などの災害に強い建築物を目指した「規制強化」が改正の柱となってきました。ところが平成から令和へと変わった今、基準法の改正トレンドそのものが大きく変わろうとしています。少子高齢化に伴う世帯数の減少や高齢化社会を踏まえ、建築物ストックをより重視し、既存建築物の転用や用途の拡大など「規制緩和」が改正の中心となっている点が大きな特徴です。

そんな今回の改正の中から、事業経営に関わる重要な法改正事項をご紹介します。

事業経営に関わる重要な法改正

1)耐火建築物規制


これまでは軒高9m以下、地上3階以上だった木造建築物の耐火建築物規制(防火無指定地域)ですが、今回の改正により16m超、地上4階建て以上に緩和されます。この改正は住宅などの中低層木造建築物を中心に手掛けてきた建築会社や工務店にとって、営業チャンスの拡大につながります。

まず一般住宅ですが、一つまたは二つの階を賃貸とする賃貸併用型の3階建て住宅を施主に提案する場合、今までは規制の厳しい耐火建築物にする必要性から建築コストが割高になっていました。しかし今回の改正により、そのデメリットが解消しますので、木造3階建ての賃貸併用住宅が提案しやすくなります。また、「3階建ての事務所や賃貸アパート経営を検討していたが、建築コストがネックとなって躊躇していた」という企業や家主にとって、今回の改正は背中を押す好材料となります。

民間企業にとってこの法改正は、中低層木造建築物の市場開拓をするチャンスといえるかもしれません。

耐火建築物規制

2)住宅の用途変更における規制緩和


用途変更についての改正もあり、今後は200平米以下の戸建て住宅なら、用途変更時の建築確認申請が不要になります。

この規制緩和は、急速に進んでいる高齢化対策や、増え続ける空き家対策の一貫です。空き家となった住宅を小規模多機能型の介護施設に変更しやすくすることで、施設数を確保すると同時に、空き家解消も狙った一挙両得の施策となっています。

用途変更次第では、他の制限が生じる場合もありますが、確認申請という大きなハードルがなくなりますので、福祉施設に限らず、戸建て住宅の民間施設転用がやりやすくなるのは間違いありません。耐火建築物の規制緩和と同様、個人の施主だけでなく戸建て住宅規模の木造施設を希望している民間企業などへの提案チャンスが広がる改正です。

古民家の民間転用

建築士法改正:受験資格の「実務経験」が不要に!


建築士法も、大転換と言って良いぐらい大きな改正が、早ければ2020年より施行されます。建築士の受験資格要件において大きなハードルとなっていた、「実務経験」が不要となるのです。つまり、建築系学科の大学や工業高校を卒業した人なら、実務経験年数に一切関係なく、誰でも建築士の試験を受験できるようになります。

建設業界は、有資格者数やその割合によって企業の信頼度が評価される側面があります。それだけに、建築士資格者の確保や増員に悩んでいた企業にとっては、建築士にできる既存職員の分母が拡大する訳ですから、朗報と言って良いでしょう。また、企業を悩ませる大きな課題となっているのが新卒採用後の定着率の低さですが、今回の改正により、設計業務にかかわる新卒職員にも1級建築士試験合格という大きな目標を与えることで、人材流出の歯止めも期待できます。

1級建築士試験

バリアフリー法改正:旅館やホテルの車椅子用客室設置数が拡大!


2020年のオリンピック・パラリンピック開催時には、全世界から日本が注目を浴びることになりますが、「おもてなし」がキーワードだったにも関わらず、障害者の方々に対する社会的配慮はまだまだ十分とは言えません。そこで国土交通省は障害者の方々が利用しやすいよう、旅館やホテルなどのバリアフリーを促進する改正を行い、2019年9月1日に施行されます。

具体的には合計床面積が2,000平米以上で、客室総数50以上の旅館やホテルが新築、あるいは増築や改築を行う際に、車椅子使用者用客室の設置基準を「1室以上」から「1%以上」へと改められます。従来の1室以上の設置基準だと、仮に客室が500室あろうと1,000室あろうと1室を車椅子使用者客室にすれば基準を満たしたことになります。そのため、車椅子使用者客室が増えない要因のひとつになっていました。

今回の改正により500室ある旅館なら最低5室、1,000室あるホテルなら最低10室を車椅子使用者客室に改めない限り、増改築できなくなりますので、車椅子使用者客室数の増大は確実となります。

ホテル又は旅館のバリアフリー客室設置数の基準見直し(案)引用:国土交通省|http://www.kenchikushikai.or.jp/data/news/2018/2018-09-25-2.pdf


車椅子使用者用客室の設置増は、単に必要な客室数の室内改修だけに留まりません。車椅子での移動がスムーズに行えることが大前提となりますから、旅館やホテルの建物構造次第では道路から玄関までのアプローチ、駐車場、さらにはロビーや廊下、宴会場や共用トイレなども追加改修の必要が生じる場合があります。今回のバリアフリー法改正において、建設業やリフォーム会社、専門工事会社に期待されている役割は決して小さくないのです。

そうした福祉的建築ニーズやユニバーサルデザインニーズの増大に対応できるよう、バリアフリー型共用施設の新築、改修工事ノウハウの蓄積と強化に一層取り組んでみてはいかがでしょうか。

車椅子使用者用客室の設置増

建築物省エネ法改正:中規模建物も省エネ基準への適合が必要に


建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律、即ち建築物省エネ法の改正も建設業界にとって見逃せない内容となっています。


従来、建築物省エネ法の省エネ基準適合が義務化されていたのは、延べ床面積が2,000平米以上の非住宅の大規模建築物となっていました。国土交通省が2019年度の通常国会へ法案提出を予定している改正内容では、省エネ基準適合が延べ床面積2,000平米から300平米以上の非住宅の中規模建築物にまで拡大される見通しです。

では住宅は改正に無関係かと言いますと、そうではありません。300平米以上の戸建て住宅は従来どおりですが、マンション等については届出時の監督(関係行政庁による指示・命令)が強化されます。

省エネ基準に適合していなければ建築許可がおりないケースが増えると見られており、マンション等の中規模住宅も省エネ基準適合がほぼ義務化されたと言っても、過言ではありません。また300平米未満の小規模住宅についても、「建築士による省エネ基準の適合可否を説明する義務」が課せられることになります。

太陽光パネルのあるアパート


従って、小規模住宅の設計・施工が専門で適合基準とは無関係だった企業も、早急に省エネ基準に対する知見を高める必要があります。また、今回の改正からも伺えますが、国としては省エネに対する国際的な合意を果たすため、小規模住宅についても、ゆくゆくは省エネ基準を適合させたいと考えているようです。

省エネ基準が拡大されてから慌てることがないよう、今回の改正を機に、小規模住宅専門の事業者も省エネ基準に適合した建築物の設計・施工技術の確立や強化に取り組まれてみることをおすすめします。

法改正への万全な準備や対応は次代の建設事業者への切符!


ご紹介してきたとおり、令和元年の2019年は建設業界にとって、経営に直結する法改正ラッシュの年となります。法改正がそのまま商機増大へとつながるケースもありますが、法改正を踏まえた準備や対策など、面倒で大変だと思えることも多いですよね。

しかし、法改正に向けて準備や対策に入念に取り組んで頂くことは、時代に対応した建設企業へと自社を成長させる絶好の機会になります。そうした前向きな視点で、法改正ラッシュの年をぜひ飛躍の年にしましょう!

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