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建設業界で人材不足を解消しながら助成金をもらう方法と注意点

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目次(この記事の内容)

  1. 助成金と補助金の違い 
  2. 採用への助成金
    1. トライアル雇用助成金(若年・女性建設労働者トライアルコース)
  3. 職場環境改善への助成金
    1. 人材確保等支援助成金
  4. 人材教育への助成金 
    1. 人材開発支援助成金
  5. 助成金申請は代行会社もある
    1. 社会保険労務士
    2. 経営コンサルタント
    3. 助成金申請代行会社とのマッチング
  6. 終わりに

建設会社の人事部に長年勤める私は、毎月のように助成金の申請をしていてセミプロ状態です。最初は面倒だと思った申請も、数をこなせばサクサク進みます。

助成金や補助金があることは知っているけれど面倒で使っていない会社も多いと思いますが、申請書類の作成は慣れてしまえば難しいものではありません。年間で数百万単位の助成金を受け取れることもありますし、有効に使えば社員の待遇向上や能力開発にもつながり、人材不足の解消にも役立ちます。

そこでこの記事では、建設業界向けに設定されている、採用や社員の定着に役立つ助成金をご紹介します。




助成金と補助金の違い 

助成金と補助金の違いを知っていますか? 国の助成金と補助金は管轄する役所が違います。

「助成金」は厚生労働省の管轄で、雇用保険に加入している事業所を対象とした雇用関係の支援です。条件をクリアすれば貰えるお金です。

「補助金」は経済産業省の管轄で、公募要件を満たしたうえで応募してコンペで勝ち取るお金です。詳細な事業計画書などが必要な場合もあります。

補助金は申請すれば必ず貰えるわけではないので、お勧めは、条件さえ満たしていれば必ず支給される助成金です。建設業界向けの助成金もあります。

ただ、雇用保険の助成金にはクリアしなければいけない共通要件がありますから、申請を検討する前に確認しましょう。

【助成金の共通要件】
(1)雇用保険に加入して労働保険料を納付していること
(2019年の建設業の雇用保険料率は12/1,000)
 一人親方や個人事業主(従業員が家族だけの場合)は対象外。
(2)過去5年以内に雇用保険の不正受給がないこと
(3)反社会的勢力でないこと
(4)風俗営業等関係の事業主でないこと
(5)申請日や受給決定日に会社が倒産していないこと

共通要件以外にも、助成金ごとに助成対象の条件があります。特に建設業では、受注が減ったなどで、やむなく従業員を解雇することもあります。助成金によっては解雇・会社都合退職・退職勧奨(肩たたき)があると不支給となるものがあり、先に確認しないと申請できてもお金が貰えません。解雇等の実績は退職者に発行する離職票の退職理由を基準に判断されます。

参考サイト:
厚生労働省「各雇用関係助成金に共通の要件等」|https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000497219.pdf
厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「平成31年度の雇用保険料率について」|https://www.mhlw.go.jp/content/000484772.pdf
助成金活用ガイド「解雇してしまうと助成金は不支給になる?助成金申請はタイミングが重要!」|https://jyoseikin-with.com/kaiko/

では、具体的にどんな助成金があるのか。建設業を対象とした助成金に絞って紹介します。建設向けでさえ、これだけの数があります。


採用への助成金

トライアル雇用助成金(若年・女性建設労働者トライアルコース)

採用への助成金にはトライアル雇用助成金があります。一般トライアルコースの支給後に若年・女性建設労働者のコースの助成金も申請できます。

若者及び女性の入職・定着の促進を目的としています。過去2年以内に2回以上離職や転職を繰り返していたり、1年を超えて職についていない若者(35歳未満)や女性を、建設技能労働者等として一定期間試用すると受け取れる助成金です。

トライアル雇用は正社員と併用求人というかたちでハローワークに求人できます。トライアルすることで、会社側は正式採用する前に労働者の適性を確認することができ、労働者側は入社前に会社の仕事内容や雰囲気を知ることができます。それにより、ミスマッチを防ぎ早期退職のリスクを減らせます。


出典:厚生労働省「建設事業主等に対する助成金のご案内」|https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000161178.pdf

・助成金額
1人当たり月額最大4万円を最長3カ月間

・助成対象
中小企業で雇用管理責任者を選任していること。対象となる労働者のトライアル雇用助成金一般トライアルコースの支給を受けていること。また、6カ月以内に従業員を解雇していないこと等。

 

・募集期間
通年。トライアル雇用終了から2カ月以内に申請

・お得情報
柏崎市や東大阪市では、国のトライアル雇用助成金に上乗せ助成する制度があります。柏崎市では最大で月4万円を3カ月間受け取ることができます。


参考サイト:
柏崎市若年者トライアル雇用助成金のご案内|
https://www.city.kashiwazaki.lg.jp/shogyo_p/sangyo/jigyosho/koyo/documents/03_leaflet.pdf
東大阪市若年者等トライアル雇用支援金について|http://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000011643.html

職場環境改善への助成金

人材確保等支援助成金

自社のスタッフの定着や働きやすさを向上させるための、職場環境改善への助成金の中でも、人材確保等支援助成金は建設分野のコースを3つも設定しています。各コースを詳しく見ていきましょう。


出典:厚生労働省「建設事業主等に対する助成金のご案内」|https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000465959.pdf

1)人材確保等支援助成金 雇用管理制度助成コース(建設分野) 

若者及び女性の建設業への入職を推進することを目的としています。定められた入職率をクリアすることで受け取れる助成金です。

・助成金額
従業員の入職率を達成した場合は1回目57万円・2回目85.5万円、生産性要件を満たした場合は1回目72万円・2回目108万円(生産性要件は生産性が3年度前に比べて6%以上伸びていることが要件)

賃金を増額改定した場合は一人につき年間6.65万円を3年まで支給。

・助成対象
中小建設会社で雇用管理責任者を選任していること。解雇など会社都合の退職者の割合が雇用保険に加入する社員の6%以内であること等。

・募集期間
通年。計画開始6カ月前から1カ月前までに整備計画を認定申請し、制度の導入・実施をすること。算定期間(1回目12カ月・2回目24カ月)の満了日から2カ月以内に申請

2)人材確保等支援助成金 若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)

若者及び女性の入職や定着を図るための魅力ある職場づくりの促進を目的とする助成金です。現場見学会・体験実習・インターンシップを行ったり、建設事業の役割や魅力を伝えたり、技能向上を図るための研修などの事業が対象です。

・助成金
建設会社の場合は事業に要した経費の5分の3、研修を受講させた建設労働者1日当たり7,600円まで支払われ、年間200万円が上限です。

・助成対象
事業を実施した建設会社で雇用管理責任者を選任していること。

・募集期間
通年。事業を実施しようとする日の2カ月前までに労働局に計画届を提出し、四半期ごとに翌月から2カ月以内に申請。(456月分は7月1日から8月末までに申請。以降も同じように3カ月毎に申請)

参考サイト:厚生労働省「建設事業主等に対する助成金のご案内」|https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000552271.pdf

3)人材確保等支援助成金 作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)

建設現場の宿舎等の設置を進め、雇用環境の改善を促進することを目的とした助成金です。被災三県(岩手県・宮城県・福島県)に作業宿舎・作業員施設・賃貸住宅の賃借、自ら施工管理する建設工事現場に女性専用作業員施設や賃貸住宅の賃借した場合に設置費用を助成します。

・助成金額
作業員宿舎等の経費助成は支払額の3分の2で月額3万まで、年間200万円が上限です。女性専用作業員施設設置の経費助成は支払額の5分の3で、現場単位で1施設まで。月額3万まで、年間60万円が上限です。

・助成対象
作業員宿舎等の経費助成は中小建設会社。女性専用作業員施設設置の経費助成は元請の中小建設会社。
雇用管理責任者を選任していること等。

・募集期間
通年。事業を実施しようとする日の2週間前までに労働局に計画届を提出し、事業の終了に応じて年4回申請。


人材教育への助成金 

人材開発支援助成金

自社のスタッフのスキルアップを目指した人材教育への助成金の中でも、人材開発支援助成金は建設労働者の教育訓練関係で2コースを設定しています。違いについて確認しましょう。


引用元:厚生労働省「建設事業主等に対する助成金のご案内」|https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000552271.pdf

1)人材開発支援助成金 建設労働者認定訓練コース

建設労働者の技能向上を目的としています。定められた認定訓練を会社が受けさせ、訓練日の賃金を支払った場合に経費や賃金を助成します。

・助成金額
経費助成は支給対象経費とされた額の6分の1。賃金助成は1日当たり3,800円支払われ、年間1,000万円が上限です。

・助成対象
中小建設会社で雇用管理責任者を選任していること。雇用保険に加入している社員に認定訓練を受けさせた等。

認定訓練の種類についての詳しい情報はこちらからご確認ください。

参考サイト:茨城県「認定職業訓練について」|https://www.pref.ibaraki.jp/shokorodo/shokuno/shido/ninteiko/h23ninteikunren.html#sec2

・募集期間
通年。経費は訓練実施後に精算確定の通知がくるので2カ月以内に申請。賃金は訓練終了後2カ月以内に申請。

2)人材開発支援助成金 建設労働者技能実習コース

建設労働者の技能向上を目的としています。定められた技能実習を会社が受けさせ、実習日の賃金を支払った場合に経費や賃金を助成します。

・助成金額
20人以下の会社の場合だと、経費助成は支給対象経費とされた額の4分の3。賃金助成は1日当たり7,600円支払われ、一つの技能実習について20日分が限度。

・助成対象
中小建設会社で雇用管理責任者を選任していること。指定教育訓練実施者が実施する建設業法で定める技術検定種目の実習(建設機械施工管理・電気工事施工管理などが該当)を雇用保険に加入している社員に受けさせた等。

・募集期間
通年。技能実習を実施しようとする3カ月前から1週間前までに労働局に計画届を提出したものを、技能実習終了後2カ月以内に申請。

助成金申請は代行会社もある

いろいろな助成金を紹介してきましたが、事前に計画書の作成が必要なものもあり、面倒で大変そうだと思われているのではないでしょうか。助成金の申請は代行会社に頼むこともできます。代行を専門に行っている会社もありますし、専門家が代行業務を請け負っていることもあります。代行業務のシステムや料金をご紹介します。

社会保険労務士

労働・社会保険の専門家である社労士が、業務の一環として行っています。最近は申請代行だけでなく、助成金に特化した顧問サービスを行う社労士もいます。


たとえばスタートアップ社会保険労務士事務所は助成金顧問サービスを行っています。貰える助成金の提案から申請代行まで依頼できます。

上記オフィシャルサイト|http://hresource-sr.jp/

経営コンサルタント

財務系が得意な経営コンサルタントが助成金の申請を代行する場合があります。


たとえば株式会社bpコンサルティングは中小企業の創業支援、補助金・助成金の申請代行、財務経営コンサルティングを行う会社です。資金調達の一部として助成金の提案や代行を請け負っています。

上記オフィシャルサイト|https://bp-consulting-ltd.com/service/

助成金申請代行会社とのマッチング

助成金について気軽に相談したい方は、助成金検索サイトで代行会社とマッチングできます。


助成金サイトの「助成金なう」は会員に助成金情報の提供や代行会社とのマッチングを行うサイト(https://www.navit-j.com/service/joseikin-now/index.php)です。最新の助成金情報を知ることができ、条件にあった代行会社を探すことができます。

助成金の申請を代行会社に依頼する時に気になるのが料金です。今回調べた中で料金をオープンにしている代行会社をご紹介します。たとえば、

・社労士A:月額コンサルタント料9,800+代行手数料は助成額の10%(代行手数料は支給された場合のみ)
・社労士B:代行手数料は助成額の15%(支給された場合のみ。不支給の場合は支払はなし)
・社労士C:代行手数料は助成額の10+就業規則等の作成50,000(代行手数料は支給された場合のみ)
・経営コンサルタントD:着手金50,000+代行手数料は助成額の15%(代行手数料は支給された場合のみ。不支給の場合は着手金も返金)
・経営コンサルタントE:着手金50,000+代行手数料は助成額の10%(着手金の返金なし。代行手数料は支給された場合のみ)
・マッチングサイト:代行手数料は助成額の15%(支給された場合のみ。不支給の場合は支払はなし)

でした。社労士Bとマッチングサイトは同条件でしたが、依頼する代行会社によってシステムや料金は違うようです。

終わりに

助成金は返済しなくてよい魅力的な資金です。種類が多く、自社が該当する助成金を探すだけでも大変だと思われるかもしれませんが、代行会社もありますから事務処理の負担は軽くできます。助成金目当ての採用は後々の人件費の増大につながるのでお勧めできませんが、人材不足で採用を計画しているのであれば、助成金を上手に活用して、人材確保を進めてみてはいかがでしょうか。

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