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車椅子ライターが実生活者の視点から提言!「バリアフリー住宅」で本当に採り入れるべきプランとは!?

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目次(この記事の内容)

  1. 車椅子ユーザーの住まい例
    1. 畳→フローリングで全面フラットに
    2. L字型の手すりを設置
    3. ドアは全てスライド式
    4. エレベーターは絶対条件
  2. 車椅子ユーザーが日頃感じる「あともう少し…!」の部分とは?
    1. エレベーターが狭い
    2. わずかでも段差がある
    3. 立ったときの目線でつくられたものが多い
  3. 街で見つけた、意外と便利なもの/不便なもの
    1. ◎キャスター付きの入れ物
    2. ◎低い位置に設置できるインターホン
    3. ◎車いすで乗れるエスカレーター
    4. ◎ボタン付きの自動販売機
    5. ×公園の車いす用出入り口
  4. 設計する前に聞いてほしいこと
    1. 身体の状態
    2. 具体的に必要なサポートとは?
    3. 車椅子サイズや形を確認
  5. 設計・プラン時に考えて欲しいこと
    1. できれば試乗や試作を
    2. 水回りは「高さ」がポイント!
    3. 素材選びも重要です!
  6. 補助金なども要チェック!
    1. 介護保険制度
    2. 「次世代住宅ポイント制度」
    3. 税金の軽減による支援「住宅特定改修特別税額控除」
  7. まとめ(おわりに)

2019年7月の参議院議員選挙で、「れいわ新撰組」から2人の車椅子議員が誕生しました。少し前のことですが、まだ鮮明に覚えている人も多いのではないでしょうか?

それは、“バリアフリーの法案を審議する国会でさえ”その対策が充分ではないと明らかになった瞬間でもありました。開会前には急ピッチでバリアフリー工事が行われましたが、初登庁日にさっそくいくつかの改善点が見つかるなど、対応の難しさも浮き彫りになりました。

 

(引用:れいわ新撰組Facebookより)

一般の住宅も同じです。

まだまだユーザーに適したバリアフリー化が進んでいないのが現状で…などと考えている私、実は「車椅子ライター」です。生まれつき脳性麻痺による身体障がいがあり、電動車椅子で生活しています(*編注:当コーナーは複数のライターが寄稿しています)。

この機会にそんな私の経験をもとに、車椅子でも快適に過ごせるための住まいや環境づくりについて考えてみたいと思います。車椅子ユーザーがいらっしゃるお施主様からご依頼があったとき、あるいは公共施設を受注されたときの、ご参考やヒントになれば幸いです。




車椅子ユーザーの住まい例

最初に、現在私が暮らしているバリアフリー住宅(マンション)の特徴をご紹介します。プラン作成のうえで「必要最低限のもの」として捉えていただければ、役立つかと思います。

畳→フローリングで全面フラットに

入居当初の畳部屋をフローリングに変更。全面フラットにすることで車椅子でも自由に動けるようにしています。

L字型の手すりを設置

自分で立位を保てるように、玄関とトイレにL字型の手すりをつけています。

ドアは全てスライド式

車椅子でもスムーズに開け閉めできるように、全てのドアがスライド式になっています。

エレベーターは絶対条件

複数階の場合、車椅子ユーザーとエレベーターは、切っても切り離せません。エレベーターは物件の選び際、絶対に外せない条件です。

また生活環境では、コンビニや駅が徒歩圏内にある、生活しやすい場所を選びました。


車椅子ユーザーが日頃感じる「あともう少し…!」の部分とは?

次に、住まいの中に限らず、車椅子ユーザーが普段生活するうえで「不便だなぁ」と感じる代表的な事柄をご紹介します。

エレベーターが狭い

移動手段として欠かせないエレベーター。色々な場所への設置が進んではいますが、実は、狭くて車椅子やベビーカー1台乗るのが精一杯という設備が多いのが現状です。手押し型の車椅子または電動車椅子などのサイズを考慮して設計いただくとユーザーのストレスは軽減されると思います。

 

(画像引用:WHILL(ウィル)株式会社|イラスト付で解説 車椅子の種類と名称、おススメの選び方|https://whill.jp/column/01_how_to_select )

わずかでも段差がある

健常者にとっては何でもないような些細な段差でも、車椅子だと前輪がひっかかるため、手助け無しでは乗り越えることはできません。できるだけ段差をなくすことが、車椅子ユーザーの過ごしやすい環境作りには不可欠と言えます。

立ったときの目線でつくられたものが多い

車椅子ユーザーの目線は、健常者に比べると非常に低い位置にあります。つまり高い所にあるものが見えにくく、また取りにくいため、何かと手助けが必要となるのです。目線の高さに配慮した設備もバリアフリー化を考えるうえで必要だと考えます。

これはほんの一部ですが、車椅子ユーザーは健常者が気づかないような、ちょっとしたことにも不便さを感じて生活しているということを常に意識しておいていただければ助かります。

街で見つけた、意外と便利なもの/不便なもの

便利・不便だと感じる、街で目にしたものや公共の設備などをピックアップしてみました。バリアフリー住宅の参考になる部分も多く、私も個人的に工夫して導入しているものもあります。

◎キャスター付きの入れ物

飲食店などで見かけることのある、ちょっとした荷物入れ。楽に動かせるので、必要なものを必要なときに取ることができて便利です。


(画像引用:アスクル「脱衣収納バスケット」|https://www.askul.co.jp/p/1287278/ 

◎低い位置に設置できるインターホン

最近はカメラやマイク・スピーカーが内蔵されていることも多く、設置位置は必然的に立ったときの顔の位置に。一般的には高さ約1450mmが推奨されているようですが、中にはカメラの角度を変えられ、1100mm程度の低い位置に設置できるものもあります。私の住まいはこの機種ではありませんが、車椅子でも押せるように低くしています。


(引用:Panasonicテレビドアホン「工事説明書」より)

◎車いすで乗れるエスカレーター

東京へ旅行したときに見つけたものです。ボタンで一度エスカレーターを止め、車いすをエスカレーターに乗せる方法ですが、安全で便利だと思いました。(同様のものを使われた方が動画をアップされていましたのでご参考まで)


◎ボタン付きの自動販売機

車いすでも上端の商品が選べるようにボタンを押せば選ぶことができる自動販売機は、使いやすくて助かります。




(画像引用:DyDo|ユニバーサル自販機|https://www.dydo.co.jp/jihanki/showroom/#type/universal/ )

×公園の車いす用出入り口

柵を回転させる形の公園の車椅子用出入り口があります。これは両手がしっかり使える人でないと無理で、私の場合はひとりでは動かせず不便だと感じます。


(画像引用:NPO法人ちゅうぶFacebookページより

設計する前に聞いてほしいこと

実際にバリアフリー住宅を作るまたはリフォームする際に、重要となるのが初期の打ち合わせ。まずは車椅子ユーザーのことをよく知ることからはじめていただきたいたいと思います。

身体の状態

ひとくちに車椅子ユーザーといってもその程度はさまざまです。杖があれば自分で歩くことができるという人や、車椅子を使っていても体幹がしっかりしていてある程度の筋力がある人、自分で歩いたりつかまり立ちをすることが難しい人といったように、人によって、できることとできないことがあります。そういった状態を把握したうえで快適に過ごすためには、どのようなサポートが必要になるのかを考えれば、良いプランができると思います。

具体的に必要なサポートとは?

家で過ごす際にどのようなサポートが必要なのかを確認しておくことも大切です。たとえば、家で使っている車椅子と外で使っている車椅子が違う場合。玄関で車椅子を乗り換えるため、スペーや手すりが必要となります。室内と外を兼用にすると室内が汚れてしまうため、乗り換える方も多くいます。

そうすると、玄関に乗り換え用の手すりが必要になります。手すりにも普通のフラットな手すりとL字型の手すりの2種類があります。

  • フラットな手すり = 体幹がしっかりしている人向け
  • L字型の手すり = 縦の手すりで立ち上がり、縦横の両方を使って立った状態を保持することができるもので、自分で車いすの乗り移りをする際などに有効

玄関は、通常の玄関よりも少し縦に長くなっていて車椅子が入る広さが基本となります。

このように、生活のスタイルを確認いただくことで、必要なサポートや設備を把握することができると思います。


(画像引用:TOTO|次世代住宅ポイント制度|https://jp.toto.com/products/jisedai-jutaku/ )

車椅子サイズや形を確認

車椅子のサイズや形の確認は基本だと考えます。車椅子のサイズや形に合わせてた空間の実現はユーザーの住み心地につながります。

最低でもこの3点については最初にできるだけ具体的に話し合っていただき、設計の準備に役立ててください。

設計・プラン時に考えて欲しいこと

ここまでのことを踏まえて、設計やプランを考える際に私が大切だと思うことをまとめます。

できれば試乗や試作を

たとえば、玄関のスロープ。実際に車椅子を使いながら設計していくことや、ユーザーが試作段階で改善点はないかなどを確認できるといいですね。

水回りは「高さ」がポイント!

<キッチン>
一般的なキッチンでは目線が合わないため、高さは実際に使う車椅子に合わせて作るのが理想です。実際、特別支援学校では、平均的なものより3cmほど低いキッチンでした。シンクの下が広く、車椅子を中まで入れられるかも重要です。私のお勧めはオープン型(アイランド型)のキッチンで、周りを見渡すことができ、車椅子でもスムーズに動けるため、ストレスをあまり感じることなく料理を楽しむことができると思います。そして、引き出しを含めた台の厚みは、12cmほどが使いやすいようです。そのぐらいの高さであれば、車椅子に座りながらでもスムーズに調理できます。

<洗面台>
洗面台も、平均的なサイズのものは車椅子ユーザーにとっては高すぎることがほとんどなので調整が必要です。2~3cm低くするだけで使い勝手は違ってきます。キッチン同様に洗面台の下の空間に車椅子をしっかり奥まで入れることができる設計だと使いやすくなります。キッチン同様、洗面台も台の厚みを12cm程度にすると、手が疲れずに作業できます。


(画像引用:株式会社レオック|リフォーム事例|奥様の両親の家で気兼ねなく暮らす! 車いすでもラクラク家事を楽しもう!|https://reform.reocc.co.jp/construction/detail/36 )

素材選びも重要です!

車椅子ユーザーは、壁に寄りかかりながら移動したり、四つ這いや膝立ちで移動するという方もいらっしゃいます。ニーズにもよりますが、できる限り柔らかく滑りにくいカーペットや人工芝、あるいは逆にタイルや石材などの硬い素材で床・壁をつくることで、移動する際に発生してしまう建材への痛みやすり傷を軽減できます。

バリアフリーとあわせて、ユニバーサルデザインという言葉もよく聞かれるようになりました。

バリアフリーは、より快適な社会生活をする上でバリアとなるものを除去するという意味です。
ユニバーサルデザインは、年齢、性別などにかかわらず 、多様な人々が利用しやすいよう生活環境を整備する考え方です。公共の設備がこういった視点に基づいて整備されていくことはとても重要だと思います。

ただ、住宅に関して理想を言えば、ひとりひとりの状態に合わせた「ユーザー目線」での設計、つまり、ユーザーが何に困り、何が必要かに耳を傾けたプラン作りがベストだと考えます。
ぜひ、障がいの程度に合わせた「車椅子ユーザー目線」での設計、プランを考えてください。

補助金なども要チェック!

バリアフリーのためのリフォーム工事に対して、国や自治体で様々な補助金が用意されています。こういった制度も有効に活用することもおすすめです。

介護保険制度

住宅改修助成20万円 高齢者住宅改修費用助成制度は要支援・要介護の認定を受けている方がバリアフリー工事の総額のうちの9割(上限18万円)まで支給してもらえます。
(※詳細は各自治体のHPにてご確認ください)

「次世代住宅ポイント制度」

 

消費増税に対する景気対策で、2019年4月~2020年3月に契約・着工し、2019年10月以降に引き渡しを受けたリフォーム等を対象に家電などと交換できるポイントがもらえる制度です。
(国土交通省|https://www.jisedai-points.jp/

税金の軽減による支援「住宅特定改修特別税額控除」

工事の標準的な費用(上限200万円)の10%を所得税から控除する制度や、固定資産税の軽減などもありますが、確定申告が必要なので注意が必要です。
(国税庁HP|https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1220.htm

その他、自治体の補助は対象者や金額も異なるので、問い合わせ・相談してみるとよいでしょう。

まとめ(おわりに)

本当の意味でのバリアフリー住宅とは、車椅子ユーザー、ひとりひとりに寄り添った住宅と言えるのではないでしょうか。

令和元年に急進展した国会のバリアフリー化が、社会全体のバリアフリー化の追い風になれば嬉しいです。

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